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04.04
Thu
キャサリンは、頭を巡らしながらチョコレートをもう一つ食べた。
上品な甘さが口に広がる。

マックスが肉体だけの関係を望んでいるのなら、はっきりとそんな関係は続けることができない、と言わなければならないと思った。
そんな関係は、キャサリンのポリシーに反する。
大体、この部屋に入ったこと自体が間違いだったのだ。
キャサリンは自分の行動を反省した。

だが自分はもう、マックスに惹かれてしまっていた。
彼に身体だけを求められていてもいいじゃないか、という気持ちも起きる。
現に彼との行為は素晴らしく、それをこれから重ねることができるだけでも、魅力的だ。

しかしそんな関係を続けていれば、いつか彼は彼女に飽きるだろう。
そして、捨てられた後の自分はみじめだ。
そんな事は、耐えられない。

キャサリンはいくら彼とのSEXが素晴らしかったとしても、それだけは譲ってはいけないと思った。
そのためにこの仕事の担当を外されたとしたら、それはそれで、当初の希望通りなので構わない、と思う。
どうせ、もう少しで仕事を辞めてしまうのだ。


「そんなに面白い? この番組」
突然、頭の上から声がしてキャサリンは、きゃっと驚いた。

「びっくりした! マックス、急に声をかけるなんて・・・」
彼女は、胸に手をあてて言った。

「声は掛けたよ、でもTVに夢中で気付かないから。ごめん、そんなに驚かせたかな?」

キャサリンは声のする方を振り向いて、また驚いた。
ソファの後ろにマックスが、腰にタオルを巻いただけの姿で立っている。
彼女は思わずTVの方に向き直った。

「な・・・んで、そんな恰好なの? あなた、どこに行っていたのよ」
そう言いながら、セクシーな彼の姿にどぎまぎし、抱えていた足を降ろして、自分の着ているバスローブが乱れていないか確認した。

「シャワーを浴びていたんだ」
そう言って彼はソファから離れて、キャサリンから見ると右の奥にあるバーカウンターへと向かった。
そこで、何かを探し始める。

確かにマックスの格好は、ついさっきまでシャワーを浴びていた、という姿だ。
ドライヤーで乾かしたのだろうが、まだ髪は少し濡れている。
タオルを腰に巻いているだけなので、彼の素晴らしくバランスのとれた、筋肉質過ぎないが引き締まった身体がいやでも目に入ってしまう。

キャサリンは彼をじっと見たかったが、見てはいけないような気がして、ぱちぱちと瞬きをした。
しかしシャワールームは彼女が使っていた。
マックスがシャワーを使えるはずは無い。

「シャワー? どこで?」
「もう一つあるんだよ、シャワールーム」
彼は見つけた、と言うような仕草をしながらバーカウンターの下からグラスを一つ取り出した。

「もう一つあるの? ・・・すごい」
彼女は横目でマックスの様子を盗み見る様にしながら、純粋に賞賛の言葉を述べた。
さすがは高級スイートルームだ。

「広すぎて困ると思っていたけど、こういう時は便利だね」
そう言いながらマックスは、グラスに氷を入れ、琥珀色の液体を注いだ。
グラスの縁を舐める様に口をつけると、うん、と頷いてグラスを手にキャサリンの方に戻ってきた。

彼女は、近づく彼の気配にドキドキとし、緊張に耐えられず言った。
「服が無くなっていたんだけど、知らない?」
視線はTVから離さず、リモコンを押してまた番組を変えた。
「ああ、知っているよ。僕が仕舞っておいた」

「仕舞ったって、どこに?」
彼女は思わず彼を見た。
何故、彼はそうやって勝手な事をするんだろう、とマックスにムッとした。
しかし彼を見たのは間違いだった。
全裸に近い彼の姿に、胸の鼓動が跳ね上がる。

彼はグラスを持ったまま、ストンと彼女の横に腰を降ろした。
「チョコレート、おいしい?」

マックスは手に持っていたグラスを机に置くと、彼女の前に置いてあったチョコレートを取るために、手を伸ばした。
必然的に、彼の身体が少しキャサリンに被さる様になり、彼の身体からさわやかな石鹸の香りがする。
キャサリンの身体に緊張が走る。

彼は、チョコレートを食べるとショートグラスの液体を飲んだ。
「うん、おいしい」
身体をキャサリンに向けたまま、にっこりと笑う彼にドキドキとしながら、
「マックス、質問に答えていないわ」
とキャサリンは言う。

彼に心臓の音を聞かれないかと冷や冷やする。
マックスは片眉を吊り上げると、チョコレートをもう一つ取り、彼女の唇に当てた。

「ちょ、ちょっと待って」
キャサリンはたじろいだ。
だめだ、こんな行為を許しては、と思う。



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