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02.22
Fri
キャサリンは言うと寝室へ消えた。
マックスは室内に入ると、居間のソファにどさりと座る。
隣の寝室のドアをチラリと見る。

その向うで彼女が着替えているかと思うと、裸の彼女が想像されて、腰より下が少し緊張した。
今すぐ彼女を味わいたい気持ちは山々だが、まだだ、と彼は自分の反応を諌める。

マックスは、彼女が自分自身の意思で彼を求める様になるまで、彼女には触れないでいようと決めていた。
そのためには、彼女の警戒心を解き、信頼を勝ち得る必要がある。
彼は、まずは友人として彼女と付き合う事にしていた。

だが、気持ちを隠すのは容易ではない。
今日も、彼女が今週末に予定があると言っていた時、何の用事なのか気になって仕方が無かった。
友人らしく心配している風を装って聞いたが、彼女は答えない。
その事が更にマックスを嫉妬の炎に苛ました。

誰か他の男とデートの約束でも入っていたのではと思うと、怒りに目が眩む思いだ。
本当は、今すぐ彼女を奪って自分の物にしたかった。
だがそんな事をすれば、彼女はマックスを拒絶する様になってしまうだろう。
それは避けなければならない。彼は自分自身の欲望に耐えた。

とりあえずマックスはこの週末、彼女を独占することに成功した。
シンガポール出張は元々予定にあったが、W&M社が同行する必要のある業務は、本来無い。
というか、現地で不動産物件を確認する予定にはなっていたが、わざわざ法務担当者を連れて行くほどの業務では無かったのだ。
もっと物件が絞れてきて、条件を検討する段階になってからが法務担当者の出番だ。
だが彼は彼女を連れて行くためにW&Mに同行を依頼した。
本来まだ必要は無いが、物件確認から同行していても業務的に間違いでは無い、という状態なのを利用した。

マックスは、キャサリンがW&Mでオズワルド・スピネリ(マックスは彼をバカみたいな男と呼んでいる)に手を触られているシーンを見てから、彼女を他の男から離すことを考えていた。
そして、この事を思いついた。
その作戦は見事に成功した。

いや、彼は成功する事を知っていたし、そのように事態を持って行ったのだ。
この旅行でマックスは、キャサリンと更に親密になるつもりでいた。
彼はその柔和で親しみやすい言葉使いや態度とは裏腹に、猫科の肉食動物の様にしなやかに、じわりじわりと彼女を追い詰めていた。


寝室のドアが開いた。
キャサリンは細身のパンツにヒールを履き、太腿まであるチュニックセーターにストールを巻いて薄いコートを着ている。
髪は相変わらずまとめている。
マックスは彼女の姿を見て、美しい、と思った。
髪をまとめている点は不満だったが、そこは我慢することにした。

「さあ、行きましょう」
彼女は言った。
足元にスーツケース1つと大きめのトートバッグがある。
「荷物、それだけ?」
マックスは、彼女の荷物の少なさに驚いた。
普通、女性はちょっとした旅行でもたくさんのスーツケースが必要なものだと思っていた。

「言ったでしょ、荷物は少ない方だって。女友達との旅行でもいつも私が一番少ないのよ」
キャサリンは、得意そうに言う。

「少なすぎない? それで必要な物はちゃんと入ってる?」
マックスは彼女の荷物の少なさに、今度は文句を言い出した。

キャサリンはマックスの質問にびっくりした。
男性に荷物の中身を気にされるなんて初めてだ。
そして、少なさに文句を言われる事も。

彼は案外、世話好きで、細かい人間なのかも知れないと思った。
彼の新しい一面を見つけた気がした。

「本人が大丈夫、って言っているんだから大丈夫よ。さあ、早く行かないと飛行機に乗り遅れちゃうわよ」
彼女はマックスを急かした。
今までの彼との会話の経験から、彼だとこのまま荷物の検品まで始めかねないと思った。
それだけは勘弁してほしい。
それに、出発予定時間を大幅に過ぎている。

「オーケー」
今度は、マックスが彼女に降参した。




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