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02.14
Thu
――マックス? まさか。

彼は立ち止ること無く、ローザの案内に従いジョンの部屋へと行った。

キャサリンは動揺した。
今見たことが信じられなかった。
まさか、という思いしかない。

しかしすぐに、気のせいかも知れない、という打ち消す気持ちが沸く。

今、ピピコムのCEOの顔は、チラッと見えただけだった。
マックスに良く似ているだけかも知れなかった。

でも、良く似ていた。
背が高いところもそっくりだった。
頭の中がぐるぐると回る様な感覚に襲われる。

しかし、もしマックスだったとしたら、総務部を見渡した際に、キャサリンに気が付いたはずだ。
気が付いていたら、彼はそのまま行ってしまうだろうか、そんな疑問がキャサリンの頭に浮かぶ。

きっと彼は気付かなかったんだろう、とキャサリンは思った。
彼は総務部をチラリと見渡しただけだし、他の従業員もいる。
そんな一瞬でキャサリンに気付くはずが無い。

もしくは、彼に良く似ているだけの別人なのだ。

――気のせいよ、気のせいに違い無いわ。
キャサリンは祈るような気持ちで思った。
それに、ピザ配達のアルバイトをしているマックスがピピコムのCEOであるはずが無い。

――そうよ、そんなはずないじゃない。有り得ないわ。
キャサリンはすがる様に打ち消した。

だが彼女の直感が、彼はマックスだ、と言っている。
考えがまとまらない。

キャサリンは自分の手が、動揺で震えていることに気が付いた。
彼女は震えを抑えようと手をさすった。

そこへ来客にコーヒーを出し終わったローザが帰ってきた。
総務部がざわついた。

「ローザ、どうだった?」
総務部の他の女性社員たちがローザに問いかける。
「ちゃんとコーヒーを出して来たわ」
「もう、そんなことが聞きたいんじゃないのは分かってるでしょう。CEO、チラッとしか見れなかっ
 たけど、すごくかっこ良かったわね」
「それにすごく若かった」
誰かが言った。
「彼の近くに寄って、どきどきしたわ」
「どきどきですって! どんな感じ?」
「だって、彼、コーヒーを出した私に、ありがとうって、にっこり笑ったの。すごくチャーミングでき
 れいな青い目だったわ。マックス・コナーズっていう名前なんですって。」
ローザはうっとりする様な表情をして見せた。
他の女性社員たちは、いいなぁー、と声をかけている。

キャサリンはローザの言葉に、打ちのめされた。

やっぱりマックスだった。

何故マックスがピピコムのCEOで、W&M法務事務所にやって来たのか分からないが、ここにいるという事実は変わらない。

キャサリンは、彼が彼女に気付いていない事を願った。
そのままジョンの部屋へ向かった様子から、彼は彼女に気付いていないだろうと思った。
時間が早く過ぎて、早く帰ってくれればいい、とも思った。
そして、机を並べている同僚たちに動揺を悟られないように抑えながら、パソコンのキーボードを叩いていて、ふと閃いた。

――そうだ、彼がジョンやトビ―と話し終わる前に帰ろう。
キャサリンには、とてもいい考えだと思えた。
残業はもうやめることにした。

そして、帰る準備をするために作成中のドキュメントを保存していると、総務部に弁護士の1人のオズがやって来た。
彼はピピコムのCEOの話題で、何時に無くはしゃいでいる女性社員達に驚きながら、キャシー、ジョンが来て欲しいって君を呼んでいるよ、と言った。




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