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02.07
Thu
「髪に何かついてる」
マックスはそう言った。
「えっ、ほんとう?」

キャサリンはきちんと鏡で確認したのに、と思いながら髪についているものを取ろうと手をあげた。

「ああ違う、そこじゃないよ。ちょっと待って」
彼は彼女のまとめられたブロンドに手を伸ばすと、髪をとめていたバレッタを外してしまった。
ゆるくウェーブのかかったブロンドの髪が、するりと落ちて肩にかかる。

キャサリンがびっくりしていると、マックスはバレッタをカウンターに置きながら言った。
「うん、やっぱり。君にはこっちの方が似合うと思っていたんだ。すごく素敵だ」
にっこりと微笑む彼は、得意げですらある。

――なんてこと、彼は恐ろしくキュートだわ。
キャサリンはバレッタを外されたことにも驚いていたが、彼の自然な仕草にも驚いていた。

そして自分自身の反応にも。
初対面の男性にこんなことをされても、不思議と怒る気が起きない。
むしろ彼に褒められて、キャサリンの中の女性の部分が高揚してくるのが自分でもよく分かった。
彼には人を魅了する何かがある。

「あなたって、プレイボーイなのね」
キャサリンは彼に微笑みながら、髪をまとめるために差していた、バレッタ以外のピンを何本か髪から抜いた。
彼に対する警戒心は無くなっていた。

「プレイボーイ、僕が?」
マックスは心外だ、という表情で聞き返した。

「そう、だって女性を喜ばせる方法を知っているもの」
「そんなことは無いよ」

マックスは一旦否定したが、にやりとすると言った。
「ああ、やっぱり当たっているかな。確かに女性を喜ばせる特別な方法を、よく知っている」

「呆れた。やっぱりプレイボーイなのね」
キャサリンは彼の言葉に含まれているセクシャルな意味を察した。
それと同時に、彼の指が肌の上を這うところが頭に浮かぶ。胸の頂がちりりとした。

「僕が知っているのは、女性はプレゼントを貰うと喜ぶってことだけど、それを知っているとどうして
 プレイボーイになるのかな? それとも何か違う特別なことがある?」
マックスは彼女の反応を楽しんでいる。

またからかわれたのだと、キャサリンは気づいた。
さっきからずっと会話は彼のペースで進んでいる。
キャサリンはナタリーからマックスが年下だということを聞かされていたので、彼は少し生意気だと感じた。
そしてお仕置きが必要だと思った。

「・・・そうね、もっと特別なことがあるわ。」
「へぇ、どんなこと? 知りたいな」
マックスはたいていの答えだったら驚かないぞ、という表情をしている。
キャサリンはがぜん、やる気が出た。
「知りたい?」

彼女は頬杖をついて流し目をして見せた。
さっき彼が自分の言葉に含んだ意味を、彼女も含ませることにしたのだ。
うまく出来ているかどうかは自信が無かったが。

「ぜひ知りたいな」
マックスの腕の筋肉が少しこわばった。
そして彼の瞳には、さっきまでキャサリンとの会話を楽しんでいた時とは違う光が宿っている。
どうやらキャサリンの作戦は成功したらしい。

キャサリンは彼に顔を近づけるように、手招きで指示をした。
不思議がる彼に、人差し指を口の前に立て、しぃっとジェスチャーして秘密を打ち明けるそぶりを見せる。
マックスは顔を彼女に近づけた。
彼女は近づいた彼の耳に、
「TとかBとかが頭につく、ピカピカして高価なものを贈ると効果があるらしいわよ」
と小さな声で囁くと、にっこりと笑った。

「あはははは、やられた」
マックスはにっこりと微笑むと、
「本当だ、TとかBだね。なるほど。それは効果があるね」
と言いながらくっくっくっと笑っている。

キャサリンも笑った。
「それもなるべく高いといいわよ」
「透明で大きいのがいいんだろう?」
2人はひとしきり笑った。
笑いが収まると、何とも言えない緊張を孕んだ空気が2人を包んだ。

その緊張を破るように、
「踊ろう」
とマックスがキャサリンを誘った。
「ええ、いいわ」
キャサリンの頭には、ナタリーに言われた、『あなたにはセクシーで危険な香りのする男が必要』という言葉が浮かんでいた。
彼女は羽目を外したい気持ちになっていた。




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