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06.27
Thu
やあどうも。nicikaでーす。

なんだかんだと、毎日100越えでご訪問いただいてるなぁ。
ありがとうございます。

いやー、考えたらすごいね。
ごくごく平凡な田舎に住んでる人間がブログで小説書いて、毎日100人を超す人に訪問いただけるなんて。
何だか、ほんとネットって不思議ですよね。
私は、ここに訪問してくれている読者(もしくはふらっと訪れた人?)の顔も素性も性別も知らないし、もちろん来られた方も、私の事は作品しか知らない。
普通に生きてたら全く接点は無いわけで。

うん? ブログ書くのも、今どき普通か。
ツィートしたりfbも、普通か。
時代は変わったなぁ。うわー、こんな事書いてる時点で、かなり古い人間だと思われるな。
ははは、私、ツィートもfbもその他SNしないからね。
狭い、狭い世界で生きてるもので。

視点を変えると、私にとっては一読者、もしくは一訪問者の人達に、それぞれ人生があり、その人の毎日の中で通り過ぎるネット画面の中の一記事に私の作品が含まれているって、実に興味深いです。

毎日、仕事に行ってるんでしょうね。
通勤電車に揺られてる?
それとも家でのんびりしながらコレ読んでる?
上司とか部下にムカッとすること、今日もあった?
旦那や嫁(男性が読んでるのは可能性として低いか)や子供とか両親にイラッとした?
逆に、家族や友達、仕事仲間にホンワカしたとか?

なぜか今日は、そんなことを考えてみました。

おかげ様で、私は幸せに生きてます。
コレ読んでる人達も、幸せでありますように。


・・・うーん、小説と全然関係無い話で、ごめんね!



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06.27
Thu
 無理矢理な展開のラブシーンありです。ご注意を。



「・・・」
エヴァンジェリンは尚も後退(あとず)さる。

「社の人間には丁寧だけど、君には乱暴?」

アルバートはそう言ってまた、彼女に一歩近づく。
ゆっくりと、より効果的なように。
手に持った眼鏡は、傍らの積み上げられた椅子の端に置く。

エヴァンジェリンに言われた言葉が、いつもの冷静な仮面をはぎ取る。

――そう、俺は周りの人間に丁寧で冷静な育ちのいい人間だと思わせるために、いつも言葉使いや態度を
  慇懃に振る舞っている。

アルバートは自らの過去を思い出していた。
その過去を封じ込めて、大学に進学し、MBAを取得し、ピピコムに入社した。
秘書になってからは、秘書のイメージをそのまま体現するよう努力してきた。
その方が簡単だったからだ。
何かのイメージに沿った生き方の方が、やり易い。

その事を今、彼女に指摘されたのが腹立たしい。
まるで、隠してきた過去を見透かされたように感じた。

「何よ、そんな風に言ったって、何も怖くないんだから!」

彼女はもうそれ以上、後ろに下がれなくなった身体をアルバートの方に向け、言った。
布を掛けられたテーブルが彼女の足に当たり、彼女の逃げ場を無くしている。

勇気を奮い起こして言っているその言葉とその姿は、やはり、アルバートの中の残忍なものを喜ばせた。

――へぇ、まだ口答えするんだ。そんなに乱暴にされたいんなら、してやるよ。
  俺がいつも思い通りにする? じゃあ、今、思い通りにするさ。

アルバートは口の端を吊り上げた。

エヴァンジェリンはアルバートの残忍な笑みに、ビクッ、と身体を震わせ、身を翻して逃げようとした。
だが逃げられるわけが無い。

アルバートはエヴァンジェリンの動きより早く一歩大きく踏み込んで、彼女の肩を掴んだ。
そして彼女の両肩を身動きができない様にしっかりと抱えると、彼女の口を荒々しく奪った。

「・・・!」

彼女は唇をしっかりと閉じ、彼との体の間に畳まれた両腕をじたばたと彼の胸に叩きつける。

アルバートは、じたばたと動く彼女の両腕の自由を奪う様に、身体をエヴァンジェリンに更に密着させた。
そして、舌で無理やり彼女の唇とこじ開けようとする。

「・・・んぅ、んっ」

口をふさがれて、息苦しさに少し開いた彼女の唇に間髪入れずに舌を滑り込ませる。

「ひぃ・・・ひゃ」

舌を入れられた状態の彼女の口から出た言葉は、言葉の体を成していない。
嫌、と言いたかったんだろう。
だがその言葉を発したために逆に唇が開き、アルバートの舌をより奥にしっかりと侵入させた。

アルバートは彼女の舌に自分の舌を絡め、口蓋を舐め、彼女の唾液を吸った。
くちゅ、くちゅと舌の絡まる音が静かな部屋に響く。
彼女の両腕に込められていた力が弱まる。

身体を密着させたまま、右手で、彼女の胸をドレスの上から強く揉む。

「・・・!!」

エヴァンジェリンはアルバートの掌から身体を逃がす様に、身体をよじったが、しっかりと抱きかかえられているため、身動きはできない。
だが、アルバートの右手が二人の体の間に入ったせいで自由になった自分の左腕を彼の背中に回すと、唇をふさがれたまま、ドン、ドンと拳でアルバートの背中を叩いた。

アルバートは彼女に背中を叩かれても、彼女の唇と胸を責めることを止めなかった。
眉間にしわを寄せ、急に彼女から唇と身体を離すと、彼女の両腕をあっという間に絡め取った。
所詮エヴァンジェリンは彼女より上背もあり、しっかりと鍛えられた彼に敵うはずも無い。
アルバートはそのまま、左手だけで彼女の両手首を彼女の背中に縛り付ける。

エヴァンジェリンのグリーンの瞳には怯えが宿った。
そして、彼女を後退させる様に壁に押し付けた。
ドンッ、と背中のあたる鈍い音がする。

「いやっ・・・」

エヴァンジェリンは、ふるふると首を横に振った。
その動きは、か細い。

「もう遅い・・・」

アイスブルーの瞳は、怒りと欲望でさらに冷たく光っている。
アルバートは腰を彼女に押し付けた。
彼の固くなったそれが、彼女のちょうどへそより下のあたりに押し付けられる。

エヴァンジェリンは、情けないような、泣きそうな表情をした。
アルバートは彼女の表情に、ぞくぞくとした。

彼女のわなわなと震えている唇に、再度唇を重ねる。
エヴァンジェリンは唇を固く閉じ、必死の抵抗を見せる。

そんな事はお構いなしに彼女の下唇に軽く歯を当て、強く吸った。
そして、邪魔者のいなくなった胸を揉み、胸の頂をさする。

「んんん・・・」

唇を閉じたまま、彼女がいやいやをする。
クスリ、と唇を重ねたままのアルバートに残忍な笑みが浮かぶ。

彼女の耳を舐め、首筋を舐めながら、彼女のドレスのストラップを肩からずらすと、胸を露わにし、直に揉んだ。
そして頂をつまむ。

「!」

エヴァンジェリンの体が、それまでの動きとは違う跳ね方をした。
アルバートはすぐさま、彼女の胸を噛みつく様に吸った。

「あっ、んぅ」

彼女は、自らの身体の反応を最小限に留めるためなのか、押し殺した声を漏らす。

舌と唾液で頂を包み、転がし、吸う。
あいた右手でスカートを捲り上げ、強引に下着の下の股の間に指を入れる。

「い・・・やっ、だめ」

エヴァンジェリンは腰をよじらせてアルバートの手から逃れようとするが、両手を後ろ手に固められ、壁に押し付けられていては逃げる事は叶わない。

アルバートは易々と指を目的の場所にたどり着かせて、そこを開いた。
予想に反して、しっとりと濡れている。
それが、アルバートを少しの歓びと勝利感に満たした。
そのままぐっ、と指を入れた。

「やぁ・・・」

彼女の、びくりと跳ねる腰の動きと正反対な、半分泣きそうな声が、アルバートに更に嗜虐的な歓びを与える。
アルバートは彼女の中を掻き混ぜながら、自分の体の反応に耐えようとしているエヴァンジェリンを満足げに見つめた。
彼女の中は、アルバートの指によって、奥からとろりとした液を溢れ出し始める。
何度も重ねた身体だ。
彼女がどこをどうすれば濡れるのかなんて、アルバートには良く分かっていた。

彼女の胸を吸いながら、指を更に動かした。
胸を吸う口の中を唾液で満たし、吸いながらいやらしい水音をわざと立てる。
その音に誘われる様に、彼女が更に熱いものを溢れさせる。
彼女の、押し殺した喘ぎ声が聞こえる。





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06.24
Mon
どうもーnicikaです。

いやーすいません。m(_ _)m
『冷静な~』も『とある~』も両方ちょっと更新滞っております。
楽しみにしてくださっている方に申し訳ない。

なんか最近、ちょっと忙しいんだよねー。
色々したい事が出来ちゃって、何やかんかと動き回っているのですよ。
ムーンで連載している『とある子爵令嬢』なんか、次の部の分、10行ぐらいしか書けて無いですしねー。
あらかた構想はできているんですけど、ついつい、他に集中してしまって進まない・・・。
ごめんなさいなのだ。

それと、『冷静な~』についてお知らせです。↓↓↓

次回のネタバレを本来するべきでは無いと思うのですが、嫌な方がおられて予期せず読んでしまって辛い思いをされていはいけないと思いますので、告知します。
次回以降、結婚式-5・6で、アルバートとエヴァンジェリン、やっちゃうんですけど、かなり無理やりエッチです。
そういうの嫌いな方回避してください。


しかし『冷静な~』になってから訪問者が減ってしまった。
ぽちも減ってしまった。
アルバート君、人気無いんだなー、淋し(>_<。)
いやいや、アルのせいにしてはいけません。
これも自分の文章力・構成力のせいです。
私がアルバート君の魅力をきちんと読者さんに伝えることが出来て無いってことです。

そして、そんな下手くそ作者の『冷静な秘書の仮面の下』を読んで下さり、拍手&ぽちをくださっている読者の方、有難うございます
みなさんの反応やコメントで勉強させてもらいながら頑張って書いていきまーす










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06.24
Mon
「待っていたの?」

彼女から声を発した。

「・・・エヴァ、今日は体調が悪いのか?」
本当はそんな事は無いと分かっていたが、アルバートは問題をすり替えようとした。
今日は無難に過ごしたい。

「体調は、悪くないわ」
「そうか・・・」
「・・・何が言いたいの?」

彼女の言葉は、やはり棘を含んでいる。

「何がって、今日はいつもと様子が違うから、体調でも悪いのかって聞いてるんだろ?」
アルバートはエヴァンジェリンの口から出た言葉に、今日は避けられないかも知れないという予感を感じた。
それがつい、彼の言葉をきつくしてしまう。
しかしそれをこちらから招く様なバカな真似はしたくない。
少し語尾を和らげてみた。

「うそばっかり。私の体調なんか、気にしてないでしょう?」
少し小さな声でゆっくりと言って、エヴァンジェリンはキッとアルバートを睨んだ。

アルバートは、彼女の言葉に耳を疑った。
彼女から、そんな言葉を聞くのはこれが初めてだ。
こんな風に明らかに睨み返されたことも、今まで無い。

「そうよね、あなたが私の事を気にするはずが無いものね。今日だって、私が都合よかったから呼んだん
 でしょう? 本当は他に誘った女性がいたけど、その女(ひと)が都合が合わなかったから、私なんで
 しょう? それとも、その女(ひと)は誘う価値もない女(ひと)だった?」

彼女は、箍(たが)が外れた様にまくし立てた。


アルバートはあまりの事に呆気にとられた。
彼女に言われた事は半分は図星だ。
その内容と口調に、怒りを覚えるところだろうが、彼女の豹変ぶりに驚き過ぎて怒る事が出来ない。

女性が、何かのスイッチで急に怒り狂う事は良く知っている。
今回、アルバートはその〝何か〟の地雷を踏んだのだろう。
だが、エヴァンジェリンはそんな、ありきたりな女性では無かったはずだった。
今まで彼女が、怒りでこんなに感情的になっているのを見た事が無い。
ただただ、驚くばかりだ。

アルバートは、彼女を落ち着かせなければ、と思った。
こんな廊下の真ん中で騒ぎ続けると、人が集まって来てしまう。

「エヴァ、どうしたんだ? 落ち着けよ・・・」
彼らしくない、間抜けな言葉を吐いた。

「落ち着いているわ。私、ちゃんと落ち着いてる。私が落ち着いていないって言うの?」
彼女はグリーンの瞳でアルバートを睨み返す。
その瞳の色が、感情の高まりからだろうか、濃くなっている。

――落ち着いてないだろ、全然。

アルバートは明らかに理性を欠いている彼女に舌打ちしながら、冷静に思っていた。
彼女の怒りがヒートアップすればするほど、どこか冷めてしまう。
その頭で、このままここにいる訳にはいかない、と思った。
彼女をどこか違う場所で、落ち着かせる必要がある。

「来いよ」
アルバートは、エヴァンジェリンの手首を掴んで、廊下の奥へと進んだ。

「いやっ、いやっ」
エヴァンジェリンは足を突っ張って抵抗したが、やはり男の力には叶わない。

彼女が強く抵抗すればするほど、アルバートの中の苛々とした気持ちがだんだんと大きくなった。
彼女を加減せずに、ぐんぐん引っ張る。

彼女を片手で引っ張りながらアルバートは、廊下に面したドアノブを片っ端からガチャガチャと触る。
そのうち、一つのドアが開いた。

その中を素早く確認すると、エヴァンジェリンを引っ張ったまま室内に入り、彼女を突き放す様に室内へ押し込んで部屋のドアを後ろ手に閉めた。
彼女が逃げられない様に、ドアを背に立つ。

「どうして、こんな・・・」
エヴァンジェリンは薄暗い室内とアルバートの乱暴な扱いに、さっきまで怒りに燃えさせていた瞳に今は、恐怖を漂わせている。

それもそうだろう、アルバートがこんな風に乱暴な態度を取る事は今までに無い。
彼女は自分が引き出したものではあるが、初めて見る彼の凶暴さに、驚いていた。

薄暗い室内は、マナー・ハウスの一部屋が倉庫の様に利用されているのだろうと察せられた。
天井には小さなシャンデリア、室内には壁際に積み上げられた机や椅子、段ボール箱がある。積み上げられていないソファセットには、日焼けと埃を避けるため、布が被されている。室内に入った時に暗すぎないようにとの配慮だろうか、窓には重厚なカーテンが取り付けられたままだが、カーテンはタッセルで括られていて、レースの薄いカーテンのみが窓を遮っていた。

「どうしても、こうしても無いだろ。あんな場所じゃあ、話し合いもできない」
アルバートは荒々しく高ぶった気を治めるように、ふうっ、と息を吐いた。

「ここなら、話し合いができるの? ここなら、私と言い争いになってもいいってこと? そうね、そう
 よね、あそこじゃ誰が聞くか分からないものね」
エヴァンジェリンは俯き加減に、アルバートに捕まれた手首をさすりながら言った。
先程見せた恐怖の兆しは、アルバートに対する怒りに飲み込まれてしまったようだ。

「エヴァ、落ち着けよ」
尚も言葉を続けようとする彼女に、苛立ちが募る。
全身の血が逆流する様な感覚を感じながら、その思いが現れている自分の瞳を隠すために、眼鏡をくっと持ち上げた。

「私は、落ち着いてるって言っているじゃない! あなたはそうやって、なんでも自分の思い通りにしな
 いと気が済まないの?」

俯き加減だった彼女は、顔を彼に向けた。
その瞳は、恐怖をもう映してはいない。
またもや怒りを燃えたぎらせている。

「・・・何が言いたいんだよ、エヴァ」
「何よ、半年も何の連絡も寄越さず、急に呼び出したと思ったらこれ? 別に私じゃなくても良かったん
 でしょ? 社内のかわいい子でも良かったんじゃないの?」

「エヴァ」
アルバートは、彼女に対する腹立ちを抑える様に言った。
もういいかげんにしろ、と言葉に込めた。

「さぞや、おもてになるんでしょうね、氷の秘書様は。それとも、社内の子だったら、丁寧な扱いをし
 なくちゃならないからめんどくさかった? 私みたいに、乱暴な口調で命令もできないものね!」

「いいかげんにしろ!」

尚も続く彼女の執拗な攻撃に、声を荒げた。
全身から怒りが発散されているのが、アルバート自身にも良く分かった。

「・・・!」
アルバートの勢いに、エヴァンジェリンがたじろぐ。

やっと収まった彼女の口に、アルバートは苦々しいものを感じながら拳(こぶし)を握りしめた。
だが、怯える彼女の瞳の揺らぎに、何かゾクリとしたものが、振り子の様にアルバートをおかしな衝動に突き動かす。
アルバートは、彼女に一歩近づいた。

エヴァンジェリンが少し後退(あとず)さる。

その彼女の小動物のような行動が、アルバートを更に酔わせた。
彼女の意図に反して。

「俺が、何でも自分の思い通りにするって?」
アルバートは言いながら、大股に一歩進み、眼鏡をゆっくりと外した。





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06.19
Wed
どうも、nicikaです。


今回は、自分で描いたアルバート君の絵を載せてみました。
いやーお恥ずかしい(*´エ`*)
恥ずかしいんならUPするなって話ですが、でもせっかく描いたしー。
デジタルで描くの初めてだったので、めっちゃ描き直ししたしー。
そんだけ努力したら、公開したいしー。

描き直して、あんな仕上がりです、はい。
下手ですけど、お目汚しご勘弁を。


来た、来た。
やっと来た。

『冷静な~』の結婚式-3 にして、ちょっと面白みが出てきたか?
結婚式-1・2 って、どう展開するのか読めない内容でしたけど、ここに来てほんわりと何か匂ってきましたぞ。
小説書くのって、この山場をどう作るかが難しいもんですなぁ。
しかも、アルとエヴァンジェリン、二人とも無口。
似た者カップルだね。
結婚式-1 の時なんか会話が弾まん、弾まん。
二人っきりだと、暗ー。(゚Д゚|||)

書いてるわたくし、ツッコミ入れたくて欲求不満になりそうだわ。
(すいません、関西人なもので・・・←あ、この縛りも関西人に失礼だわ)

さてさて、まだまだ不遜なアルバート君です。
どうなるのかなぁ、彼は。
なかなか嫌な男っぷりダダ漏れてるけど、奴は今後どうなるんでしょうねー。

くっそー(`д´)、何時になったらアルツンデレになるんだ!

お楽しみに!






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06.19
Wed
「そうか~、メイン州か~、寒いですよね、あちらは」

ニコニコと矢継ぎ早に質問してくるジェイコブに気圧されたのか、エヴァンジェリンはチラリと彼女の連れであるアルバートの方を見た。
だがアルバートは、彼女の視線に表情も変えず、何も言わなかった。

そんな彼女の様子に、ジェイコブはパートナーがいる女性に対して自分が積極的に話し掛け過ぎていると気が付いたらしい。

「あー、お仕事は何をされているんですか?」
と声の調子を変えて、無難な話題を振る。

「彼女は医師なんですよ」
エヴァンジェリンの代わりにアルバートが答えた。
俺はここにいるんだぞ、と主張する様に。

なぜか、彼女が顔をしかめたような気がした。

「お医者様ですか~、こんな美人のドクターに僕も診てほしいな~。専門は? どこにお勤めなんですか?」
またまた、ジェイコブは彼女を質問攻めにする。
彼はもうだいぶん酔っているんだろう。
いつもより饒舌(じょうぜつ)過ぎるぐらいに饒舌だ。

「専門は、内科なんですよ。セント・ポーリアス医院に勤めています」
エヴァンジェリンは、ジェイコブに微笑みながら返した。

「ご優秀なんだな~。セント・ポーリアスっていったら、総合病院ですね、お忙しいんでしょうね」
へらへらと笑いながら彼女の事を優秀だと言うジェイコブも、弁護士資格を持っている秀才だ。

「そうですね、なかなか自由が効かないです」
彼女は尚もジェイコブに微笑みながら答える。

その時、場内のバンドが奏でる音楽が少しアップテンポのものに変わった。

「あの、もし良かったら、一曲、踊りませんか?」
ジェイコブがアルバートに遠慮しながら、エヴァンジェリンを誘った。
言葉を発するとやにわに、彼はアルバートに、一曲ぐらいいいだろ、という視線を送ってくる。
ジェイコブは明らかに彼女の笑顔に、気を良くしている。

今まで社の催しに参加した際、エヴァンジェリンはいつも大人しかった。
まるで、アルバートの会社の人間と必要以上に親しくしたくない、という風に。そんな彼女の様子もあって、アルバートはあまり彼女を社の催しに誘わなかったのだ。
アルバートとしては、それは彼なりに気を使った行動のつもりだった。
だからアルバートは、いつもの様にエヴァンジェリンは、今回のジェイコブの誘いにも乗らないだろうと思っていた。

「ええ、もちろん、是非」
彼女は、ニッコリと微笑んで彼の誘いを受けた。

「えっ? いいの? じゃあ、失礼するよ、アル」
ジェイコブは目じりを下げると、彼女の手を取って、テーブルを避(よ)けて開けられた会場の真ん中へさっさと移動する。
ジェイコブに手を引かれて行くエヴァンジェリンは、アルバートを見もしなかった。

アルバートはそんな二人を見ながら、眼鏡をくいっと手で押し上げた。
苦々しい思いが胸に広がる。
傍らのテーブルにある、飲み物を一口飲んだ。

独りで佇んでいると、社内の人間が代わる代わるアルバートに声を掛けに来る。
エヴァンジェリンとジェイゴブが踊っている間、その応対をする羽目になった。

ピピコム社の取締役の一人と会話している時に、二人は戻ってきた。

「じゃあ、これからも頼むわよ、アル」
「いえ、その様なこと、当然ですよ」
「うふふ、頼りにしてるわよ。また食事でも一緒にしたいわね」  
「ご冗談を」
「あら、本気よ、失礼するわ」

そう言って取締役の女性は去っていく。

「もてるのね」
エヴァンジェリンが話しかけてきた。
その息は、先程のジェイコブとのダンスのせいで少し弾んでいる。

アルバートはその事に不快さを覚えた。

「そんな事は無いさ。社交辞令だろ」
「・・・そう」

「でも、さっきの部長さんも言っていたし、今もあなたをチラチラと見てる女性が多いみたい」
エヴァンジェリンは言葉を続けた。

「気のせいだろ」
周囲を少し見渡し、アルバートは言った。
そんな風に、自分を見ている女性がいる様には思わなかった。

「・・・」
彼女は俯く。

「私と話す時と、社内の人と話す時、すごく言葉づかいが違うのね」
「?」

アルバートは、エヴァンジェリンが何を言っているのか分からなかった。
彼女に視線を向ける。
彼女は俯いたままだ。

「社内の人には、とても丁寧な話し方・・・、同僚でもそうやって話すんだ」
彼女は、ジェイコブにもそういう話し方をしていた事を言っている様だ。

何が言いたいんだろう彼女は、とアルバートは思った。
今日の彼女はいつもと違う。
いつもより言葉少なだと思ったら、今度は多弁だ。
だが、棘がある。
何か引っ掛かるものを感じる。

「エヴァ」
アルバートは彼女に、少し苛々とした調子で言葉を掛けた。

「ごめん、私、化粧室に行きたいわ」
彼女はそう言うと、さっとアルバートのもとを離れて、足早に広い部屋を出た。

アルバートは釈然としないものを感じた。
明らかに今日の彼女はおかしい。

――彼女は俺との関係を終わりにしようとしているのか?
彼は思った。
今、ここで?

それならそれで、いいかも知れない。
彼女がそのつもりなら、関係をはっきりさせようじゃないか。

アルバートは喜びに溢れる賑やかな広い部屋を出た。


*****


アルバートは化粧室の前の廊下で、壁にもたれて化粧室から出てくる彼女を待った。
待ちながら、彼女に何と声を掛けようかと考えを巡らせていた。

彼女との関係をはっきりさせようと思ったものの、いざとなると躊躇(ためら)われる。
それに、こんな喜びの場でそういう展開になるのは避けたい。
ここには、新郎、新婦の家族、友人、会社の人間がいるのだ。
そんな場所でそんな会話をするなんて、どんな結果が待ち受けているか目に見えている。
だから、多くの人で賑わう会場をあとにしたのだが。
アルバートの心の中には彼女と別れるとしても、今日は避けたいという打算的な気持ちが働いていた。

そんな事を考えていると、エヴァンジェリンが化粧室から出て来た。
彼女の瞳が驚きで見開かれる。

――まさか俺が待っているとは思わなかった、か・・・。
彼女の顔に浮かんだ思いを見透かすようにアルバートは思った。


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06.15
Sat
身近な人間といっても、新郎新婦の親族、友人、ピピコム社の主だった社員が呼ばれていて、参加者は150人近い。もちろんピピコム社のCEOの結婚式としては、そのぐらいの招待客数はとてもささやかと言える。
今回マスコミにはCEOが結婚することも、もちろん会場についても完全シャットダウンで情報統制を敷かれていたが、それでもああしてやって来るとは彼らの情報網は恐ろしい限りだと、アルバートは思った。

式が終わると建物内で会場を移動して、お披露目パーティーが始まった。
外は初冬で、式・パーティーともに屋内なのが残念だが、マナー・ハウス風の建物は、内部も立派で充分に豪華だった。本当に、エヴァンジェリンが言う様に夏だったら最高だっただろう。

食事も終わり宴もたけなわになると、みんな自分の席から立ってめいめいに会話をし始めた。

「病院、いいのか?」
アルバートはエヴァンジェリンに聞いた。

「ええ、大丈夫。シフト調整が上手く行ったから」

彼女は医師だ。アルバートは彼女と、ピピコム社の経理部の同僚から誘われた集まりで知り合った。
あまりそういう物には行きたくなかったが、その同僚からは何度か誘われていたので一度行けばその後を断りやすいかと思って行った集まりだった。

「相変わらず、忙しいのか?」
「そうね・・・、忙しいわ」

いつもは彼女とどんな話をしていたんだろう、とアルバートは思う。
こんなに気詰まりでは無かったはずだ。

――もしかしたら、彼女とは、本当に終わりかもしれないな・・・。
アルバートは彼女の今日の様子に、そう感じた。


「アル、どう? 楽しんでるのかしらぁ?」

ソフト開発部のダニエラ・ファース部長が、寄って来た。
いつもラフな服装の彼女は、今日は珍しく品の良いスーツを着ている。
だが髪型は相変わらず高い場所で一纏めにした、いわゆる玉ねぎ頭で、〝かんざし〟という棒が刺さっている。そして今日は傍らに、彼女の体格とは正反対に大柄なご主人が連れ添っていた。
スーツを着ていても、歩き方はいつもと変わらずふにゃふにゃとしていて、彼女は不思議な軟体生物を思わせる。
全くこの見た目で心理学修士と行動学士の有資格者で、ソフト開発部部長とは、不思議な存在だ。

「かわいい女(ひと)を連れているじゃない? 初めまして」
「エヴァンジェリン・ストウ、友人です。エヴァ、ソフト開発部のダニエラ・ファース部長」

アルバートはダニエラ部長にエヴァンジェリンを紹介した。
はじめまして、とエヴァンジェリンがダニエラ部長に挨拶をし返す。

「ふぅーん、氷の秘書様にも、かわいい女(ひと)がいたのねぇ。これはこれは、社の女性社員は、がっか
 りねぇ」

――なにを言い出すんだよ。

アルバートはダニエラ部長の言葉に、少し瞳を薄く閉じる。
女性の連れの前でそんな話題を振るとは、ダニエラ部長の人を喰った行動は、いつものお遊びを通り越して迷惑極まりない。
それに、氷の秘書なんて言葉は初めて聞いた。
どうせ彼女が勝手にアルバートに付けた仇名で、誰もそんな風には呼んでいないんだろう。

「友人なんです。彼とは古くからの」
エヴァンジェリンが、さっと発言した。
アルバートは彼女のその言葉に、自分が言った言葉ではあるがチクリとした胸の痛みを感じ、平常心を取り戻す。

「あら、そうなの? アルが女性を連れて来るのって珍しいから、てっきり・・・。ふぅん、じゃあ、社内
 の女の子たちにもチャンスはあるのね。」
ダニエラ部長は眼鏡の下の瞳を薄めて、くふふっ、と聞いた事の無いような笑い声を漏らした。

「彼、そんなにもてるんですか?」
エヴァンジェリンが聞く。

「もてるわよぉ~。狙ってる子は多いんじゃ・・・」
「何度か、社のイベントに彼女も来て貰っているんですが、そう言えば部長は、彼女に会うのは初めてで
 らっしゃいますね」

アルバートは、ダニエラ部長の言葉を遮った。
言外に、何度も社のイベントに連れて来ているので、社内の女性達はエヴァンジェリンの存在を知っているはずですよ、という意味を込めた。
社のイベントに何度も連れて来るということは即ち、彼女だという事だ。

実際には、エヴァンジェリンを会社絡みの付き合いに連れて来たのは、これでやっと3回目だ。
アルバート自身、あまりそういう催しに付き合った女性を連れて行きたいと思ったことも無かったし、必要があるとも思わなかった。
エヴァンジェリンと付き合い始めてからは、何となく彼女に声を掛ける気になった時、彼女のスケジュールが合えば参加する、といった程度だ。
彼女の方も、アルバートの社のイベントに進んで参加したがっている様には見えなかった。

以前にエヴァンジェリンが社のイベントに参加したのは、確か去年の夏だっただろうか。
それから彼女と一緒には出席していない。
社内では、彼女と別れたと噂になっているのは知っていた。

「・・・そうね、お会いしたこと無いわねぇ。でも、どこかで見た事ある様な・・・」
ダニエラ部長はアルバートの言葉の意味を理解したのだろう、彼が女性にもてるかどうかという話題をやっと終わらせた。

その時、エヴァンジェリンの表情が明らかに曇った。

ダニエラ部長のご主人が、その大きな姿形に似合わず、小さな声でぼそぼそと彼の妻に耳打ちをする。
まるで良く飼いならされた熊だ。

「あら、ほんと、ドラマの・・・、何だったかしら? 何のドラマだったかしら・・・?」
そう言いながら、ダニエラ部長は首をかしげた。

「私、喉が渇いたので飲み物を取ってきます」
エヴァンジェリンは急にそう言うと、そそくさとその場を離れる。

「ああ、そうね、 『ドクター・マッコイ』の・・・」
ダニエラ部長と彼女のご主人は、二人で、うん、うん、と頷き合っている。


「うぉーい、アル、昨日なんで帰ったんだよぉ」

法務部のジェイコブが、大声で寄って来た。
ジェイコブは昨日の酒が残っているうえに今日も飲んだのだろう、すでに酔っ払いとなりかけている。

昨日というのは、新郎の独身最後の日の事だ。
新郎は独身最後の日の夜を、男友達と飲み明かすのが習わしになっている。
アルバートも出席したが、夜12時過ぎには独り帰った。新郎であるCEOとその他のメンバーは午前3時まで飲んでいたらしい。

彼の登場に、ダニエラ夫妻はドラマの話題に花を咲かせながら去って行く。

「今日も独りか? 独りなのか? 今からあっちの女の子達に声を掛けに行こうぜぇ」

ジェイコブは新婦の知人女性達がいるテーブルを指差しながら、空いている手でアルバートの肩を抱き、バシバシと叩く。
痛い。

普段、法務部というお堅い職場のせいか、ジェイコブは酔うと人格が変わる。
いやジェイコブだけに限らず、法務部に勤務している者は往々にしてそうだ。
法務部主催の飲み会は、恐ろしいらしい。
アルバートは何度か誘われた事があるが、一度も行った事は無い。もちろん行きたくないからだ。

「今日は連れがいますよ、そう言えば、会ったこと無いんじゃないかな。紹介します。エヴァ」
「えっ、お前に連れ? 珍しぃなぁ」

アルバートは少し離れたところで、カクテルを手に持っているエヴァンジェリンに声を掛けた。
彼女はグラスを片手に、アルバートとジェイコブの所まで寄ってくる。

「ジェイ、エヴァンジェリン・ストウ、友人です」
「初めまして」

エヴァンジェリンがニッコリと笑って彼に挨拶をする。

「初めまして・・・。法務部のジェイコブ・トールズです」
ジェイコブの顔が、エヴァンジェリンに見惚れる様な表情をしている。
アルバートは彼のその表情に少しイラッとした。

「いや~、お美しい。きれいなグリーンの瞳だなぁ、ご出身はどちらなんですか?」
ジェイコブは明らかに彼女に興味津々といった面持ちで、質問を始めた。

「えっ、メイン州です」
彼女が答える。




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06.11
Tue
どうも! nicikaでございます。

前回は、久々更新だったのに、元気無いひとりごとだったのを先ず、お詫びします。
多分、熱中症なりかけだったんだと思う。
ぐでーってなって、気分悪かったものですから、ついつい久々更新にもかかわらず、デロンとした文になってしまった。デロンとした文ってどんな文だ? と仰らずに、そこはまぁ、感覚で。
後で水分馬鹿ほど取ったら治りました。


と言う事で、『冷静な秘書の仮面の下』結婚式-1 UPです。
さて再会したアルバートとエヴァンジェリンですが、どうなるんでしょうねー。
なんかぎこちないね、2人。
ほんと、アルって・・・、アルって・・・。
そんな奴ですか、君は!(`Д´)ノ
普段の何でもソツ無くこなすお前はどこ行った??(←あっ、そういう所『冷静な~』では見せてないか)


そんなアルについては、はるさんの拍コメ、ぴったりですね。

>>はる さん。
ウケター!!(*ノ∀'*)σ。アルバート、なんと嫌な男かぁるい不誠実すぎるって!
天罰くだるの楽しみって、ね。
これ、思った人多いのでは。
そうなんですよねー、やな奴ですよねー。特に日常1-1・2のアルは、とんでもねー女の敵だな。
『年下~』番外編読んで頂いた方は、アルの日常を理解して頂いてるかと思いますが、ほんと、2重人格ヤロウです。

さぁ、彼にはこれから天誅下るのか、のうのうと生き延びるのか・・・。ってこれじゃ、どこかの悪徳代官成敗もの告知みたいですな。




以下、拍コメお礼&作者駄文でーす。

>>サリー さん。
6/3のコメに遅返信でごめんなさい。
そして、どうもー毎度ありー。何度も訪問、拍コメ、有難うございます。
『年下~』の完了祝って頂き、次作も楽しみと言って頂き、嬉しいです。
次作品である『冷静な~』、スタートをハードにしたけど、OKだったですかね。

余談ですが、わたくし、この方の影響で、ガンダムSEEDを最近観だしました。
・・・ハマった。ちょーハマった。
心臓、バクバクになるくらいにハマった。SAN値ピンチ!
毎晩寝不足、昨日は2:30就寝のおバカ状態にどっぷりGO!となっています。
何年前の作品に今更ハマってんだよって、自分でツッコミ所満載ですよ。
もぉーーー、語りたいっ、時代の波に大きく遅れて、今更にSEEDを語りたいっっ。
だけど、ここでは止めよう。
読者の皆さんに迷惑かかるワ。


>>ウサコ。さん。
ごめーーーんなさいっ。5/28の拍コメにこの、遅遅返信。
最終話の時にお礼しようと思って忘れ、次回更新の時にしようと思ったら上記に挙げたような状態で、ひとりごと閉めちゃいました。
今更返信ですが、『年下~』の終わりにコメ、有難う!
2人のじれじれにドキドキと楽しんで頂けたとは、作者冥利につきますね。
エピローグは、ほんとのオマケの話だったけど、モフモフして頂けたかしら。

はぁほんと、遅お礼すいません。
こんなズボラ作者に愛想つかさず、宜しくお願いします。
今晩も、SEED観ます。




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06.11
Tue
CEOの結婚式の当日、昼前にアルバートはタクシーに乗ってエヴァンジェリンを迎えに行った。
外はどんよりと曇っている。
今日の予報では、雪が降ると言っていた。

――結婚式にはふさわしくないな。
窓の外の空を見ながらそう思った。

思えば、エヴァンジェリンの住んでいるアパートに行くのは初めてだった。
3年付き合っても、彼女のアパートがどこか知らなかった。

付き合っている間に話題になったことはあった。
だが、あまり深く聞かなかったと思う。
二人が会うのはいつもアルバートの部屋だった。

電話で彼女に迎えに行くと伝えると、少し躊躇する様な間を置いてエヴァンジェリンから告げられた場所は、マンハッタンエリアの北部にあたるワシントンハイツ地区だった。

アルバートはその地区にエヴァンジェリンが住んでいる事に違和感を覚えた。
何しろワシントンハイツは有名なドミニカン・コミュニティだ。他の有名な地区ほど治安が悪いとは聞かないが、明らかな白人女性であるエヴァンジェリンが独りで住むのにはふさわしくない様に思った。


指定された住所に車が近付くと、建物の前に立っている彼女が見えた。
アルバートの胸は少し、高鳴った。

彼女の前でタクシーを停め、降りる。

「久しぶりね」
彼女が少し微笑んで声を掛けてくる。
久しぶりに見る彼女は、相変わらずきれいだ。

「ああ」
アルバートはそんな彼女に何と返せば良いか分からず、一言だけ返した。

彼女はキャメル色のトレンチ風のコートを着ている。
上まできっちりとボタンを留めて、腰のベルトも締められている。
肩までのハニー・ブロンドの髪と濃いグリーンの瞳。
古ぼけた建物の前に立っている彼女の姿は、一昔前の女優みたいだ。

「じゃあ、行こうか」
アルバートは口に出した。

エヴァンジェリンが少し顔をしかめた気がしたが、彼女は何事も無かった様に、ええ、と小さく言った。

彼女のために後部座席のドアを開けて、自分は反対側に乗り込む。
タクシーの運転手が、じゃあ行っていいですね、と言いながら車を発進させる。


「CEOってお幾つなの?」
タクシーの中の長い沈黙のあと、彼女が聞いて来た。

「28だ」
「じゃあ、あなたと一つ違いなんだ」
「ああ」
「・・・」

「・・・最近、何してたの?」
「何って?」
「・・・」
「・・・いつも通りだよ。仕事して、帰って寝る」
「そう・・・」
「何してたんだ?」
「・・・いつも通りよ。・・・同じね」

会話が続かない。
また沈黙が流れた。

アルバートは、これではまずい、とさすがに思った。

「式は、領主館(マナー・ハウス)風の建物でやるらしい」
窓の外を眺めたまま言った。

エヴァンジェリンが目を見開いてこちらを見るのが、視線の端に映った。

「そう・・・、素敵ね。夏だったら、もっと素敵だったんでしょうね」
彼女の唇の端が、わずかに上がる。

「そうだな。生憎の天気だな・・・」
そう答えたあと、また沈黙になった。


そのまま会話も無く、車はロングアイランドの会場に着いた。
建物の周囲に張り巡らされた背の高いフェンスの外に、カメラを持った人物がうろうろとしている。

「なにあれ?」
「ん? マスコミだろ」
「マスコミ?」

エヴァンジェリンが声を上げる。

「別に驚くことじゃないだろ? ピピコムCEOの結婚式なんだから」
アルバートは、エヴァンジェリンの声の調子がやけに高いと感じた。

「そうね・・・、そうよね」
彼女の声は、少し動揺している様な感じがする。

「どこから漏れたんだろうな。極秘扱いだったんだけど。まぁ、警備が対処するから心配ない」
そう言った端から、マスコミと思しき人物が黒いブルゾンを着た体の大きな警備員に追いやられるのが見えた。
彼らはちょっとした小競り合いをしている。

車がゲートに近付き減速すると、小競り合いをしていたカメラマンが気付き、カメラを構えてこちらに小走りで寄ろうとした。

エヴァンジェリンは、さっと顔を車内に向ける。
その表情は、切羽詰っている。

「大丈夫だよ」
アルバートは彼女に言った。
その言葉通りに、カメラマンは車に近付く前に警備員に捕まった。

「俺たちなんか撮ったって仕方ないのにな。そんなにネタが無いのかな?」
アルバートは彼らの仕事熱心さに呆れる思いだったが、エヴァンジェリンはまだ身体を少し低くして、窓に背を向ける様な格好をしている。

――?
「もう捕まったぞ。それに、中には入れない」
アルバートは彼女に言う。

「あっ、そう・・・。びっくりしちゃった」
彼女は身体を戻すと、少しぎこちない笑いを作った。



式は、建物内のホールの様な部屋にしつらえた祭壇で執り行われた。
神父が新郎と新婦に誓いの言葉を促し、2人が答えて、キスをする。

少し長めのキスで、会場からはヒュー、ヒューと口笛が飛んだ。

シルバーグレーのタキシードを着たCEOは誇らしげで、横に並ぶ白いウェディングドレスのキャサリン・パーカーは、とても美しかった。
何と言うか、内から輝いている、そんな感じだ。

彼女はこんなに綺麗だったっけ? とアルバートはさすがに思った。
女性は愛されていると綺麗になる、と良く言うが、CEOが彼女を美しくしているんだろうな、と思った。
そういう二人を見るのは、微笑ましい。

彼女の父親の病気の都合で、彼女の故郷で二人は既に一度結婚式を挙げている。
その時に入籍も済ませたらしい。今日の式は、主にピピコムCEOであるマックス・コナーズの関係者に披露するためのものだ。だが、身近な人間しか招待されていない。
急な結婚だったためと、新婦の希望もあったようだ。





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06.06
Thu
どうも、お久しぶりのnicikaです。


とうとう来ました6月6日。

新連載、『冷静な秘書の仮面の下』、
日常1-1、2 をUPさせて頂きました。

このタイトル、無駄に長かったな、ともう既に後悔。
自分で書いてて、冷静な仮面だったか、冷静な秘書だったか、秘書が冷静なのか、こんがらがり掛けております。
途中の接続詞(?)が、ナ行ばっかりなのも良くない。
あれで指がもつれるんだワ。


わたくし、一週間余裕を貰って、空いた時間で絵を描こう! と初めてペンタブレットを使ってデジタルお絵かきをして見ました。
しかし慣れない事はとても大変で、四苦八苦!
苦しんだ・・・。
ひっさびさに、苦悶した。

バナー画像の横の人間の顔は、そうやって私がアルバート君をイメージして描いたものです。
顔全体を描いて、目の辺りだけをバナー用に切り取りしました。
自分的には出来に納得いってませんが、時間に押されてUPしました。

はぁー、綺麗な絵を描いておられる作者さん方々、尊敬するわ。

もうちょっとアルバート君の顔、綺麗に描き込みしてからチャンスがあればUPしたいなぁ。



『とある~』
も今日、次話更新しよっ!








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